職員ブログ

自立支援センターまめの樹の職員ブログです。

新宿に来ると、未だに電信柱ばかりに目がいきます。

先日、仕事の関係で新宿区役所に行きました。
15年ぶりくらいでしょうか。

「懐かしいな~。。」

昔は毎月来ていました。
月に数回、打ち合わせや請求書を持参したりと。


当時、新宿区の委託事業で、新宿区内の「違反広告物」を撤去する仕事を請け負っていました。


この仕事内容は、週に数回、新宿区内の電信柱などに貼ってある違法な広告物(主に営利目的なもの)を剥がすという作業でした。

皆さんもたまに見かけませんか?

不動産のビラ(広告紙)や風俗店の立て看板などです。

こういった違反広告物を全て撤去します。


当時の都知事である石原知事の、歌舞伎町浄化作戦もありまして、今ではかなり見られなくなりましたが、以前の歌舞伎町は、電信柱や街路樹に、風俗店の違法なビラや立て看板がそこらじゅうに貼ってありました。


これを毎回3~4人の作業員で剥がします。とにかく一日中(9~17時まで)剥がしまくります。


靖国通り新宿区役所通りへの道は地獄でして、一本の電信柱に何枚ものビラや看板が貼られていて、剥がすのもかなり苦労しました。

単純に剥がしても、ノリやテープのあとが電柱に残りますので、それもヘラ状の工具できちんと取り除きます。


きれいに剥がした場所を1時間後に通ってみると、また新たなビラが貼られていまして。

まさに、いたちごっこ…。。


作業自体は、貼ってあるものを剥がすという軽作業でしたから、施設の利用者さんにも出来るのでは?と。
社会貢献の良い仕事の経験になるのでは?と。

そう思いまして、歌舞伎町のような大変な地域ではなく、比較的に住宅街のような地域で作業を行う際には、利用者さんにも積極的に交ざってもらうことにしました。

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ある日、この作業を初めて経験する利用者Mさんを連れて事務所を出ました。


新宿区に入る道中の車内にて、ビラが貼ってある電柱を指さし、「ほらMさん。ああいうビラを剥がすんですよ~。」と作業のやり方も教えながら。。。


で、いざ作業開始。

Mさんは初めての作業ですから、まずは自分と一緒に周ります。

午前中の作業を終了。

昼休み時。
「やってみてどうですか?疲れてませんか?」

Mさんは、
「簡単ですよ~。とても楽しいです!」


…良かった。順調だ。


午後の作業開始。
ある通りに入りますと、結構な量のビラが貼ってある地域がありました。


「この数は一人一人別れて作業をしないと終わらない量だなぁ。。」

そう思いまして、Mさんも慣れたことだろうしと、それぞれが散りばって作業をやり、剥がし終えたらこの場所に戻って来ることを確認。

で、各自作業に入りました。


15~20分後、各自が沢山の剥がしたビラを持ち、戻ってきました。


「お~!Mさん。沢山剥がしてくれましたね。お帰りなさい。」

「楽勝ですよ~!!」とMさん。

「あれっ!?」


Mさんが剥がしてくれたビラを確認すると、なんかおかしなビラが交ざってる。。

よく見ると、そのビラの中に、『○○家・告別式会場』と書かれた、更には、その会場までの指の道しるべみたいなビラ『➡️』←こういうやつ。
、、が大量に。。


「てか、Mさん!!このビラどっから剥がしてきたのよ~っ!?」

「どこからって、あっちの電信柱ですけど??」

「これは剥がしたらダメじゃん!!」

「何でですか!?ビラを全部剥がすって言ったじゃないですか!」


…た、たしかに!!

剥がしちゃダメなビラがあるとは自分は一言も教えてなかった。。


「ひ~っ!!」

Mさんに任せた地域に慌てて向かい。。


「あった!!○○家、式場!!」

会場で式の準備をしていた方に事情を説明し、まずは謝罪。

で、貼ってあった場所にまた改めて貼り直すとなりました。。


Mさんが剥がしてくれたものは、丸めたり破いていたりでもう使えないので、新しいものをいただき、それをコンビニでコピー。


コピーしたビラを一枚一枚を電信柱に貼り直しです。。


Mさんは、
「なんでせっかく剥がしたのにまた貼らなくちゃいけないんですか~!」
とブツブツ。。

「ごめんねMさん!
後でよ~く説明するから早く貼って!
てか、早く早くっ!!
もう告別式が始まっちゃうよ!!」←ちょいテンパり気味。。


ドタバタでしたが、式の開始時間には間に合い、会場に出向いて改めて謝罪。。


…とまぁ、このような日がありました。。

 

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また別の日の話しです。。

歌舞伎町地域のビラを剥がしていた時です。


冒頭でも話しましたが、歌舞伎町地域は作業が大変なため、利用者さんは参加させません。

いや、参加させなくて、ある意味良かったのです。。


作業中に、、

「おいっ!コラ~っ!」

と、おもいっきり肩を押されました。

振り向くと、『その筋のお方』が数人。。


「てめ~誰の許可受けて、うちの店のビラを剥がしとんのじゃ!!」

「わわっ!
は、はい。。
あの~その~。」

「じゃかあしいっ!こっち来んかい!!」


両脇を抱えられ、その店?組?の事務所に連れて行かれ、、
いや、、
さらわれまして。。


正座。。


別室から、偉~い感じの風貌のある『上役さま』らしきお方が出てきまして、

「兄ちゃん。こういうのやめてくれよ。うちだって商売でやってんだよ。なぁ?」

「は、はい…。」

「二度とうちの店のやつは剥がすなよ。」

「い、いや、その…」

「ああ、そうだ。他の店のやつは剥がせよ。
でな。うちのだけは剥がすな。
そしたらうちの店のしか貼ってないから、うちが目立つだろ。なぁっ?」

「は…はい。。」

「わかったらいいよ。帰れ。」

「ど、どうもお邪魔しました!失礼します!」


…解放。。


ひ~っ!!

こんな仕事やってられるかっ!

たかだかビラ剥がして、なんで命懸けなくちゃならんのじゃっ!


すぐに区役所の担当者に連絡。


「ははは~!そりゃ大変でしたね~!」と。。

「ははは、じゃねーよ!今すぐ役所に行きますからっ!」


担当者にこんこんと伝え、ようやくわかってくれたのか、担当者から警察に連絡。


次回の作業から、歌舞伎町地域の作業時には、役所の方か、警察官がしばらく同行してくれることになりました。

 

…ちょっと話しが長くなってしまいましたが。。


今日は新宿区役所に久しぶりに出向き、その帰り道。。


今ではビラ一つ貼ってないきれいな街並みを見渡しながら、当時のことをいろいろと思い出して帰宅したのでした。。。

 

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