妹夫婦が、知人の通夜と告別式に参列することになり、妹夫婦の子どもを自分が預かることになった。
新型ウイルス中での式ということもあり、子どもは参列させたくないということであった。
妹の子どもは、中学一年生と小学三年生の女の子。二人姉妹だ。
自分の家はゲームなどがないので、もっぱら姉妹は、スマホやSwitchをやっている。
「そんなんばっかずっとやってると目が悪くなるべ~。」
「だってやることがないんだもん。オセロとかトランプとかないの?」
考えてみりゃ、うちにはそういった物が全くない。。
「あるのは麻雀くらいかなぁ。」
「麻雀ってどうやるの?」
「ドンジャラってやったことない?あれみたいなもんだよ。」
「それ知らない!」
そっかぁ。
でも麻雀は頭を使うし、お金を賭けたりしなければいいかなぁ。。
そう思い、麻雀を出し、やり方を教えてみた。
最初はめんどくさそうな顔をしていたが、教えていくと興味を持ち始めた。
むしろ今の子どもは頭の回転が早いので、飲み込みも早い。
実際にやってみようかと、三人麻雀を始めた。
姉妹共に自身のスマホで、役や上がりてを調べながら真剣に打っている。
しかも本当にうまい。
二時間くらいやっていると、小さな上がりだが、自分にも勝てるようになってきた。
す、すごい。。
気がつくと22時近くなっていたので、麻雀をやめてお風呂に入り、寝させる用意をさせた。
すると、寝る前にもう一度だけ麻雀をやりたいという。
自粛ストレスもたまっていたようだし、親もいなくて寂しいのかと思ったので、たまには夜更かしもいいかと思い、もう一度だけやることにした。
いやいや、素質があるとはこのことだと思う。
本当に勘がいいのだ。
気がついたら自分も本気になって打っていた。
時計を見ると、深夜の2時を過ぎている。。
ヤバい徹マンじゃっ!!
…さすがに終わらせよう。。
「え~っ!もっとやりたい~っ!」
また今度と言い聞かせ、ようやく寝かせた。
翌日、妹夫婦が子どもを迎えに来た。
帰り際、子どもたちが、
「麻雀すごく楽しかった!またやろうね!」
とか、
「スマホでやれる麻雀ゲームをさっき見つけたから、それやってもっと上達する!」
と言う…。。
それを聞いた妹が、
「ちょっと兄ちゃん、麻雀ってなにっ!?」
「いや、その、、あの、」
「変なこと教えないでよっ!も~う!本当に兄ちゃんはろくなことしないんだからっ!」
「す、すんません。。」
帰宅の車に乗車。
直ぐ様、姉妹は窓を開け、「また麻雀やろうね~っ!」と満面な笑みで自分に手を振っている…。
自分は、小さく手を振りながら挨拶を返す。。
一方、隣に座っている妹は、すごい怖い目で自分を睨んでいる…。
ひ~~、、
皆さん。。
子どもに麻雀を教えることは、教育上そんなによくないことだったのでしょうか…。。
文章・T