この4月から中学生になる子どもたちが施設に遊びに来てくれた。
中学生になる気分はどう?と聞いてみたら、「怖い。緊張する。」と言う。
「何が怖いのよ?」
「だってさ~うちらの行く中学、荒れててさ、怖い先輩が多いんだよ~」と言う。
「そうなの?それは心配だねぇ。」
具体的にどのように荒れてるのかを聞くと、校内を自転車で乗り回す生徒がいたり、教科書を隠されたり、金銭を要求される等…。
ようは素行が悪い先輩が怖いのか。。
SNSで誹謗中傷などの文章があっという間に拡がる現在社会で、そういったことには、「そんなの普通。無視をすればいいだけ。」と慣れている子どもたちも、実際に目の当たりにする、いわゆる不良生徒は怖いんだなぁ。
自分なんか真逆で、SNSで一瞬で簡単に人を傷つけられることの方が怖い。怖いと言うか、口にしてはダメなことを平気で言って拡散する、その人間の気持ちがとても悲しい。
自分の中学生時代は、全国的に非行と言われる若者の全盛期だった。
教師への暴力、バットで親を殴り殺す、暴走族…。
「ちなみに俺の中学は、校内をバイクで暴走するやつがいたけどな。」
「えっ?うそ~!」
子どもたちが驚き、興味を持ったようなので、いろいろ自分の学生時代の話しをした。
俺がよくやったのは、爆竹を気に入らない奴の家の窓に投げ入れたりさ、ロケット花火を窓が開いてる家を見つけては打ち込んだりさ。そーすると、悲鳴あげて家の人が出てくるのよっ!ははは~っ!!
カエルにストロー使って空気を入れるとパンパンに膨れるのよ。それを発車前のバスのタイヤの下に置くわけ。で、バスが発車。パァ~ん!ってすごい音でカエルが破裂するの。それでバスは急停車。運転手は慌ててパンクかと思って降りてくるのよ~。それが大爆笑よっ!あと、よくやったのは、じゃんけんして負けた奴を橋から落とすのよ。で、溺れるじゃん?それがおもしろいの何のってさ!橋じゃんけんって名付けてさっ!
…調子にのって嬉しそうに自分の学生時代を熱弁してしまった。
…「はっ…!!」
子どもたちを見てみると、ドン引きしてる。。
「いやいや、ジョークよっ。てか、そんな先輩が居たっていう話しよ~。」
子どもたちは、、
「嘘だっ!絶対に自分がやってたことだ!!」
「いやいや!俺がそんなことやるわけないじゃんっ!そーゆー先輩を見て、怖かったなぁと思い出話しをしたのよ!」
「絶対に違うよ!だって俺がやったことなんてって言ったもん!」
「さいて~。」
「ひど~い。。」
「キモい…。こーゆー大人にはなりたくない。」
…や、やばい。。。
「あ、間違えた!そーゆー漫画があったんだよ!不良少年の漫画っ!」
言えば言うほど引いてる…。。
さ、、さて。。せっかく来てくれたから、夕飯おごるよっ!何食べたい?
シ~ン……。
「いらない。帰る。」
「ちょ、ちょい待って!」
帰ってしまった…。。
文章・T