職員ブログ

自立支援センターまめの樹の職員ブログです。

二人の青年

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昨日、幽霊さんを見たという話しをしたが、今日も不思議で、そしてとても貴重な経験をした話しを。ちょっと長文になります。

 

去年の夏。久々に連休が取れたので、同僚数人を連れて伊香保温泉に行った。旅館に着き、早速温泉に入り、その後は豪華な夕食を終えて。
部屋で少しくつろぎ、もう一度温泉に入ろうかと話している時だった。

職場から緊急呼び出しの連絡が入った。
すぐに戻って来てくださいと言うことで、慌てて帰ることになった。

幸い自分は飲酒をしていなかったので、自分が運転。もう一人を共に連れて旅館を出た。
せっかく来たのに残念だったが、ほんの数時間だけでも幸せな時間を過ごせた。

関越自動車道に入り、上里サービスエリアに寄り、飲み物を購入した。
車に戻り、出発しようとしたら、車のドアをノックされた。
まだ若い青年二人が大きなリュックを背負って、こちらに何か話しかけている。ドアを開けると、
「すみません、、乗せていただけませんか?」と言う。
話しを聞くと、夏休み期間を使い、ヒッチハイクをして全国を旅していると言う。
「どこまで乗りたいの?」と聞くと、「関東方面に行ければどこでもいいです。」と言う。

自分たちは所沢インターで降りる予定だったので、その手前のサービスエリアまでならと伝えたら、是非お願いしますとなった。
二人を後部座席に乗せ、いろいろな会話をした。
神奈川の某大学の大学二年生で、二週間前に神奈川を出て、ヒッチハイクをしながら、東北から北陸、そして群馬まで来たと言う。低予算の旅で、漫喫に泊まりながら今日までに至ったらしい。
昨日は金沢に居たとのことで、そこで食べた物や、地元の方との思い出話しをしてくれた。本当に爽やかないい青年だった。
ヒッチハイクのほとんどは、長距離トラックのナンバープレートを確認して、行き先の検討をつけて声をかけてきたと言う。しかし今日は断り続けられ、自分の車に声をかけたと。。

何か縁があり出会えたと思い、携帯番号を交換。自分の施設で、子ども食堂や学習支援をやっていること。そこには大学生のボランティアも参加していることを伝えたら、是非行ってみたいと言ってくれたので、次回の子ども食堂に誘った。日が近くなったら、こちらからまた連絡すると伝えた。

三芳サービスエリアで二人を降ろした。「これで何か食べなっ!」と食事代を手渡し、別れた。
「ありがとうございましたっ!」
ずっと自分らに手を振っていた。。

「いい青年だったね~。いいな~学生。てか、危ない目に遭わないで無事に旅が終わるといいね」などと同僚と話した。

数日が経ち、子ども食堂の日にちが近くなったので、この二人に誘いの連絡を入れた。

まず一人目の子に電話をしたら、「おかけになった電話番号は現在使用されておりません」と。
あれ??なんでだろっ?

仕方ないので、もう一人の子の方に電話。
呼び出し音がする。良かった~。
「もしもし…。」あ!繋がった!
「先日はどうも!覚えてる~?」

「はい?どなたでしょうか。。」
あれ?間違い電話かっ?
だいちにして女性の声だ!
「あ、すみません。○○君の番号ではなかったでしょうか?」

すると、「はい、そうです。これはその息子の携帯です。私は母親です」と言う。
「あ、こんにちは。わたくし、こういう者で…」

先日の経緯を話した。

「はっ?それはいつの話しでしょうか?」と母親は聞いてきた。

「えっと…。ちょうど二週間くらい前の話しだったと思います。」

そしたら母親から耳を疑う言葉が返ってきた。

「そんなわけがございません。息子は病気で1ヶ月前に他界しました。この携帯は、息子が亡くなったことを知らない知人がかけてくるので、まだ解約してなかったのです。」と言う。

えっ?そんなわけない。
何か間違えてるのか、親が嘘をついてるのか…。

自分は事の経過をもう一度詳しく母親に伝えた。
「夏休みを利用してヒッチハイクで…」

母親は黙って自分の話しを聞き、一緒に居た友だちの名前は?と聞いてきた。
「○○君と言っていまして、先ほど電話をかけたのですが、その番号は使われていませんでした。」と伝えた。

母親は、「それは本当ですか?」と言う。
「はい、こちらは自分だけではなく、同僚も一緒でした。同僚にも確認しますか?」と。

すると母親から、、
「その友人の○○君は、息子の親友で、その子も数年前に交通事故で亡くなっているのですよ。息子は○○君と本当に仲良しでいつも一緒で。亡くなった時は泣いて取り乱しちゃって。。その息子までもが先日急な病で…。」と。

きっと二人は、天国でまた出会えて仲良く遊び、ヒッチハイクの旅をしていたのではないか?と母親と話しがまとまった。

涙がボロボロ出た。

母親に、不思議だがとても貴重な経験をさせてもらえたこと。二人が自分を選んでヒッチハイクしてくれたこと。感謝のお礼を何度も伝えて電話を切った。

○○君たち。またいつでも遊びにおいで。
二人仲良くいつまでも一緒に居るんだよ。
会いに来てくれて本当にありがとう。
一生忘れないからね。

文章・T